「ホームページをリニューアルしたら、検索順位が圏外に飛んで、問い合わせがゼロになった…」
こんにちは!栃木県宇都宮市で「バリューションウェブスタジオ」を運営している高橋です。これまで80サイト以上のホームページ制作に携わる中で、このようなリニューアルの失敗談を数多く目の当たりにしてきました。
ホームページリニューアルは、正しく行えばビジネスを飛躍させる強力な一手ですが、手順を間違えると、これまで時間をかけて積み上げてきたSEO資産をすべて失いかねない、非常にリスクの高い施策でもあります。
そこでこの記事では、私の実体験に基づき、失敗しないホームページリニューアルの全手順と、SEO評価を確実に引き継ぐためのチェックリストを、知識のない方にも分かりやすく徹底解説します。
この記事を最後までお読みいただければ、リニューアルでよくある失敗を未然に防ぎ、ビジネスを加速させるための具体的な道筋が見えるはずです。
この記事でわかること
- ホームページリニューアルを成功に導くための全工程
- リニューアルで検索順位が下がる「本当の理由」
- 【フェーズ別】具体的な実践チェックリスト
- SEO評価を確実に引き継ぐ「301リダイレクト」の重要性
- 信頼できる制作パートナーの選び方のポイント
1. 【実体験】リニューアルで最もよくある失敗の原因とは?
本題に入る前に、私が現場で見てきたリニューアルで最もよくある失敗の原因を共有します。それは「目的が曖昧なまま、デザインの変更だけを行ってしまう」ことです。
- 「デザインが古くなったから、今風にキレイにしたい」
- 「競合がリニューアルしたから、うちもやらなければ」
こうした理由だけでリニューアルを進めると、見た目は良くなっても、「問い合わせが増えない」「売上が上がらない」といった、ビジネスの成果に繋がらない結果に終わってしまいます。
リニューアル成功の鍵は、「現状の課題分析」と「明確な目的設定」にあります。これを怠ると、時間とコストをかけたにもかかわらず、リニューアル前より状況が悪化するケースも少なくありません。
2. 【フェーズ1】失敗を防ぐ「企画・準備段階」のチェックリスト
リニューアルの成否は、この企画・準備段階で8割決まると言っても過言ではありません。
☑ 1. 現状サイトの課題を数値で洗い出す
まずは、現状のホームページが抱える課題を、感覚ではなく具体的なデータ(数値)で洗い出しましょう。Googleアナリティクスやサーチコンソールといった無料ツールで確認できます。
- アクセス数・流入経路: アクセスが少ないのか?特定のページしか見られていないのか?
- コンバージョン率: お問い合わせや購入に繋がっているか?目標達成率は何%か?
- SEOの課題: 特定のキーワードでの順位が低い、検索流入が少ないなど。
- ユーザー体験(UX)の課題: サイトの表示が遅い、スマホで見にくい、情報が探しにくいなど。
【バリューションウェブスタジオの視点】
特に「表示速度」と「スマートフォンでの見やすさ」は、現在のSEOにおいて非常に重要な指標です。Googleの無料ツール「PageSpeed Insights」で簡単にチェックできるので、必ず確認しておきましょう。
☑ 2. リニューアルの「目的」を明確にする(最重要)
洗い出した課題に基づき、「リニューアルによって何を達成したいのか?」という目的を具体的に設定します。この目的が、今後の全ての判断基準となります。
- (例1)BtoBの問い合わせ件数を増やしたい
- 目的: 問い合わせ件数を月5件から10件に増やす
- 現状の課題: 専門用語が多くサービス内容が分かりにくい。導入事例ページがなく信頼性が低い。
- (例2)スマートフォン経由の予約率を上げたい
- 目的: スマホ経由の予約率を20%向上させる
- 現状の課題: スマホサイトの文字が小さく、予約ボタンが押しにくい。
- (例3)採用応募数を増やしたい
- 目的: 採用応募数を年間10名から20名に増やす
- 現状の課題: 採用情報が古く、会社の魅力や働く人の声が伝わらない。
☑ 3. ターゲットユーザー(ペルソナ)を再定義する
「誰に」情報を届けたいのか、ターゲットユーザー像(ペルソナ)を具体的に再定義します。
- 年齢、性別、職業、役職
- どのような課題や悩みを抱えているか
- どのようなキーワードで情報を探すか
ターゲットが明確になることで、デザインの方向性やコンテンツの内容がブレなくなります。
☑ 4. 競合サイトを調査・分析する
ターゲットが同じ競合他社のサイトを調査し、自社と比較して優れている点、劣っている点を分析します。
- SEO対策の状況(どのようなキーワードで上位表示されているか)
- デザイン、コンテンツの内容
- サイトの構造、使いやすさ
☑ 5. 必要なページとコンテンツを整理する
目的とターゲット、競合分析の結果を踏まえ、新しいサイトに必要なページ(サイトマップ)と、各ページに掲載するコンテンツの骨子を洗い出します。
この段階で、「既存コンテンツのどれを残し、どれを削除・統合するのか」を判断しておくことが重要です。
☑ 6. 予算とスケジュール(納期)を決める
リニューアルにかけられる大まかな予算と、いつまでに公開したいかという希望納期を設定します。
【バリューションウェブスタジオの視点】
ホームページ制作の費用は、機能やページ数によって大きく変動します。適正な費用感を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
☑ 7. 信頼できる制作パートナー(制作会社)を選ぶ
RFP(提案依頼書)を作成し、複数の制作会社から見積もりと提案を受け、比較検討します。
- 実績: 自社の業種や目的に近いリニューアル実績があるか。
- 提案力: 課題解決のための具体的な提案をしてくれるか。
- SEOの知識: SEO評価の引き継ぎに関する知識と経験が豊富か。
- コミュニケーション: 担当者との相性やコミュニケーションは円滑か。
- 公開後のサポート: 保守・運用サポート体制は整っているか。
リニューアルにかけられる大まかな予算と、いつまでに公開したいかという希望納期を設定します。
参考記事
3. 【フェーズ2】SEO評価を引き継ぐ「設計・デザイン段階」のチェックリスト
ここからは、技術的な側面が強くなります。制作会社と密に連携しながら進めましょう。
☑ 1. URL構造を最適化する
新しいサイトのURLは、ユーザーにも検索エンジンにも分かりやすい、シンプルで論理的な構造にしましょう。
- 悪い例:
https://example.com/?p=123
- 良い例:
https://example.com/service/seo/
【最重要!!!】
URLを変更する場合は、必ず旧URLと新URLの対応表を作成してください。 これが後のリダイレクト設定で必須となります。
☑ 2. 既存コンテンツの移行計画を立てる
リニューアル前のサイトでSEO評価が高いページやアクセスの多いページは、必ず新しいサイトにも移行します。コンテンツを削除・統合する場合は、どのページに評価を引き継ぐかを明確に計画します。
☑ 3. 301リダイレクトの計画を立てる
301リダイレクトとは、URLが恒久的に変更されたことを検索エンジンに伝え、旧URLのSEO評価を新URLに引き継がせるための最も重要な設定です。
「URL構造を最適化する」で作成した対応表に基づき、全ての旧URLから新URLへ、1対1で301リダイレクトを設定する計画を立てます。これを怠ると、検索順位はほぼ確実に下落します。
☑ 4. 表示速度とモバイル対応を徹底的にテストする
新しいサイトが、特にスマートフォンで高速に表示され、快適に操作できるかを入念にテストします。画像の最適化や、不要なプログラムの読み込みを避けるなど、技術的な配慮が不可欠です。
4. 【フェーズ3】公開で失敗しない「制作・公開段階」のチェックリスト
いよいよリニューアルの最終段階です。最後まで気を抜かずにチェックしましょう。
☑ 1. 社内の協力体制を整える
制作会社との窓口となるメイン担当者を決め、デザインや内容の最終的な承認者は誰なのか、社内の承認フローを明確にしておきましょう。
☑ 2. 原稿や写真などの素材を提供する
ホームページに掲載する文章や写真、ロゴなどの素材を、スケジュールに合わせて準備し、制作会社に提供します。
【バリューションウェブスタジオの視点】
実は、プロジェクトが遅延する最大の原因が、この素材提供の遅れです。本業がお忙しい中で大変な作業ですが、ここがスムーズに進むかどうかが、納期を守るための最大の鍵となります。
☑ 3. 公開直前の最終チェック【重要】
公開ボタンを押す前に、以下の項目を必ず最終確認します。
- テスト環境にかけていたBasic認証(パスワード制限)は解除したか?
- テスト用に設定していた「noindex」タグは必ず削除したか?
- (これを忘れると、新しいサイトが永遠に検索結果に表示されません!)
- 全てのページで誤字脱字はないか?
- リンク切れは発生していないか?
- お問い合わせフォームは正常に動作するか?
☑ 4. 公開直後の必須作業
公開後、すぐに以下の作業を行います。
- 301リダイレクトの実装と全件チェック
- 準備した計画に基づき、サーバー側で301リダイレクトを設定します。設定後、リストのURLを一つずつ手動でチェックし、全て正しく転送されるかを確認します。
- XMLサイトマップの更新と送信
- 新しいサイトのXMLサイトマップを作成し、Googleサーチコンソールから送信します。
- Googleアナリティクスタグの動作確認
- 新しいサイトでもアクセス解析が正しく行われているかを確認します。
まとめ:戦略的なリニューアルが、ビジネスを次のステージへ導く
ホームページリニューアルは、単なる「お化粧直し」ではありません。現状の課題をデータで正確に分析し、明確なビジネス目的を設定した上で、SEOの知識を持って計画的に進める「経営戦略」そのものです。
今回ご紹介したチェックリストに沿って、一つ一つの手順を丁寧に進めることで、失敗のリスクを大幅に減らし、リニューアルをビジネス成長の起爆剤とすることができます。
バリュ―ションウェブスタジオでは、この記事でご紹介した全てのフェーズにおいて、お客様に寄り添う「伴走型パートナー」として、成果の出るホームページリニューアルをサポートしています。
「何から手をつければいいか分からない」「自社の課題を専門家の視点で分析してほしい」など、どんな些細なことでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。
ホームページ制作の全体像を学びたい方はこちら
SEO対策の基本を学びたい方はこちら