こんにちは!栃木県宇都宮市でホームページ制作を行っているバリュ―ションウェブスタジオの代表、高橋です。
「ホームページ制作を依頼したいけど、どうやって伝えればいいんだろう?」
「複数の会社から見積もりを取ったら、金額も提案内容もバラバラで、比較できない…」
これは、私がお客様から最もよくいただくご相談の一つです。 実は、この悩みのほとんどは、RFP(提案依頼書)という「設計図」を最初にしっかり用意することで解決できます。
この記事では、私がこれまで80サイト以上の制作経験で見てきた実例も交えながら、制作会社から的確な見積もりと質の高い提案を引き出すための、RFPの書き方を分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- RFP(提案依頼書)の基本的な役割と作成するメリット
- 的確な見積もりと提案を引き出すための必須項目リスト
- 各項目の具体的な書き方とポイント
- すぐに使えるRFPの項目テンプレート
この記事を読めば、制作会社とのやり取りがスムーズになり、貴社にとって最適なパートナーを見つけるための一歩が踏み出せるはずです。
1. RFP(提案依頼書)とは?なぜ作成が重要なのか
まず、RFPとは何か、そしてなぜその作成が重要なのかを理解しておきましょう。
RFP(提案依頼書)の定義
RFPとは「Request for Proposal」の略で、日本語では「提案依頼書」と訳されます。
Webサイト制作などを外部の会社に依頼する際に、プロジェクトの目的、背景、要件、予算といった情報をまとめた書類のことです。発注側は、このRFPを複数の制作会社に提示し、それに対する提案と見積もりを依頼します。
RFP作成の4つの大きなメリット
- 社内での目的が整理・統一される
RFPを作成する過程で、「なぜホームページを作るのか」「何を達成したいのか」といった目的が明確になり、関係者間での認識を統一することができます。 - 提案の質と精度が向上する
制作会社は、RFPを通じて貴社のビジネスや要望を深く理解できるため、より的確で質の高い提案をしやすくなります。 - 正確な見積もりが取得できる
プロジェクトの範囲や要件が明確になるため、制作会社はより正確な見積もりを算出できます。「最初に安く提示して、後から追加費用を請求される」といったトラブルを未然に防ぐことに繋がります。 - 公平な比較検討が可能になる
全ての制作会社が同じRFP(要件)に基づいて提案・見積もりを行うため、「どの会社が最も自社の要望を理解し、優れた提案をしてくれているか」を公平な基準で比較・検討できます。
【実例】RFPがなく、プロジェクトが迷走してしまった話
以前、同業のエンジニアから「クライアントとの話が全く進まない」というご相談を受けました。原因は、RFPがなく、口頭でのやり取りだけで進めていたことでした。担当者間で「言った・言わない」の食い違いが多発し、デザインの修正を繰り返すうちに、当初の目的さえ曖昧になっていたのです。
RFPは、こうしたプロジェクトの迷走を防ぐための、最も重要な「地図」なのです。
2. 【テンプレート付】ホームページ制作RFPの必須項目と書き方
それでは、実際にRFPに記載すべき必須項目を解説します。全てを完璧に埋める必要はありませんが、分かる範囲でできるだけ具体的に書くことが、良い提案を引き出すためのポイントです。
1. 会社・事業概要
まず、あなたのビジネスが「誰で、何をしているのか」を伝えます。会社名、事業内容、企業の強みや特色、主な顧客層などを記載しましょう。
【バリュ―ションウェブスタジオの視点】
私たちがRFPを拝見する際、最初にこの項目で「会社の魂」を理解しようとします。単なる事業内容だけでなく、貴社の理念や簡単な沿革、お客様への想いなどが一言添えられていると、私たちはその想いをデザインに反映させるための、より深い提案を考えることができます。
2. ホームページ制作の目的とゴール(最重要)
「なぜホームページを作りたいのか?」という目的を、できるだけ具体的に記載します。これがプロジェクトの羅針盤となり、全体の戦略、デザイン、構成が全て決まります。
【バリュ―ションウェブスタジオの視点】
「かっこいいサイトにしたい」というご要望も素敵ですが、「Webからの新規問い合わせを月10件獲得したい」「採用応募数を年間で倍にしたい」といった具体的な数値目標(KPI)があると、私たちはそのゴールを達成するための、より戦略的な提案が可能になります。
3. 現状の課題
もし既存のホームページがあれば、その問題点を正直に書き出しましょう。「デザインが古い」「スマホで見づらい」「問い合わせが全く来ない」「更新できない」など、客観的なデータ(分析結果)と、主観的な不満の両方があると理想です。
【バリュ―ションウェブスタジオの視点】
ここはぜひ、正直に、そして具体的にお聞かせください。「営業担当が、お客様に見せるのを恥ずかしがっている」といった生の声は、私たちが解決すべき課題を明確にする上で、アクセス解析のデータと同じくらい価値のある情報です。
4. ターゲットユーザー
新しいホームページを、主に「誰に」届けたいのかを記載します。「30代の働く女性」「宇都宮市内で新築を検討しているファミリー層」など、具体的な人物像をイメージすることで、よりターゲットに響くサイトになります。
5. 必要な機能・ページ構成(要件定義)
現時点で必要だと考えているページ(例:トップページ、サービス紹介、施工事例、会社概要など)や、機能(例:オンライン予約、ブログ機能、決済機能など)をリストアップします。これがプロジェクトの作業範囲を定義し、正確な見積もりの基礎となります。
【バリュ―ションウェブスタジオの視点】
ここで全てを完璧に決める必要はありません。「競合のA社サイトにあるような、こういう機能が欲しい」「ブログはやりたいが、続くか分からない」といった曖昧な状態でも結構です。
そのご要望に対し、「それなら、こういう方法がありますよ」とご提案するのが私たちの仕事です。
6. デザインの要望・参考サイト
希望するデザインのイメージ(例:「信頼感のある、青を基調としたデザイン」など)や、イメージに近いと感じる参考サイトのURLを2~3つ提示すると、認識のズレが少なくなります。同業種のサイトでなくても構いません。
7. 予算
今回の制作にかけられる、おおよその予算感を記載します。
【バリュ―ションウェブスタジオの視点】
予算を伝えたくない、というお客様は多いです。しかし、私たちはご予算を教えていただくことを強く推奨しています。 なぜなら、ご予算が分かることで、私たちはその範囲内で「デザインを重視すべきか」「機能を追加すべきか」といった、実現可能な最大限の提案を考えることができるからです。
予算を伏せてしまうと、的外れな提案しかできず、お互いの時間を無駄にしてしまう可能性があります。
8. 納期
ホームページを公開したい希望時期を記載します。「〇月〇日のイベントに間に合わせたい」といった、具体的な理由があると、制作会社も優先順位を判断しやすくなります。
9. 公開後の運用体制
ホームページ公開後、誰がどのように更新・管理していく予定かを記載します。「自社でブログを更新したい」「専門知識がないので、保守・管理もお願いしたい」など、公開後の姿を伝えることは非常に重要です。
【バリュ―ションウェブスタジオの視点】
これは、制作会社との長期的なお付き合いの形を決める重要な項目です。「自社で更新したい」というご要望があれば、私たちはWordPressでお客様が簡単に更新できる仕組みを整えて納品し、操作説明も行います。
「全て任せたい」という方には、保守管理プランをご提案します。このすり合わせが、サイトの未来を決めます。
3. RFP作成・依頼時のポイントと注意点
1. 完璧を目指さない
全ての項目を完璧に埋められなくても大丈夫です。むしろ、課題や要件を一緒に整理してくれるのが、良いパートナーの証でもあります。
2. 「想い」を伝える
機能や要件だけでなく、「この事業を通じて、お客様にどうなってほしいか」といった想いを伝えることで、制作会社のモチベーションも高まり、より良い提案に繋がります。
3. 複数社に依頼する
2~3社に同じRFPを送付し、提案内容と見積もりを比較検討することをお勧めします。
まとめ:質の高いRFPが、ホームページ制作成功の第一歩
ホームページ制作を成功させる鍵は、いかにして自社の目的や要望を制作会社に正確に伝え、最適な提案を引き出すかにかかっています。
私たちバリュ―ションウェブスタジオでは、お客様がまだRFPを作成する前の段階から、目的や課題を整理するお手伝いもさせていただいております。
「何から書けばいいか分からない」
「自社の課題を一緒に見つけてほしい」
といったご相談も大歓迎です。私たちは、お客様に寄り添う「伴走型パートナー」として、ホームページ制作の最初のステップから、丁寧にサポートいたします。