こんにちは!栃木県宇都宮市でホームページ制作を行っているバリュ―ションウェブスタジオの代表、高橋です。

「あなたのホームページは、本当に『すべての人』が快適に利用できる状態になっていますか?」

普段、私たちが何気なく閲覧しているWebサイトですが、高齢の方、障害のある方、あるいは一時的に怪我をしている方など、様々な状況の人が利用しています。ウェブアクセシビリティとは、そのような利用者の状況や能力に関わらず、誰もがホームページで提供されている情報や機能にアクセスし、利用できることを意味します。

これはもはや、一部の専門家だけが知っていれば良い「特殊な対応」ではありません。すべてのサイト運営者が知っておくべき、Webサイトの品質における基本的な要件となりつつあります。

この記事では、私がこれまで80サイト以上の制作経験で見てきた実例も交えながら、「ウェブアクセシビリティ」とは何か、なぜ今その対応が重要なのか、そしてご自身のサイトで確認できる基本的なチェック項目について、分かりやすく解説します。

この記事でわかること

  • ウェブアクセシビリティの基本的な考え方
  • なぜ今、アクセシビリティ対応が重要なのか(法的側面、ビジネス的側面)
  • すぐに確認できる基本的なチェックポイント
  • アクセシビリティ向上のための第一歩

この記事が、より多くの人にとって使いやすいホームページ作りの一助となれば幸いです。

1. ウェブアクセシビリティとは?~誰もが情報にアクセスできる世界へ~

ウェブアクセシビリティとは、高齢者や障害者を含む誰もが、どのような環境からでも、Webサイトのコンテンツを等しく利用できるようにするための考え方や技術のことです。

【実例】私たちが経験したアクセシビリティの問題

以前、あるクリニック様のサイトで、デザイン性を重視するあまり「お問い合わせ」ボタンの色を非常に薄いグレーに設定したことがありました。しかし、実際に高齢の患者様から、「ボタンがどこにあるか見えない」というご意見をいただいた。とクリニック様よりご指摘があったのです。

すぐに、誰が見ても分かる明確な色のボタンに修正しました。このように、制作者の「普通」は、必ずしも利用者全員の「普通」ではないことを学びました。

2. なぜ今、ウェブアクセシビリティ対応が重要なのか?

ウェブアクセシビリティへの対応は、単なる「親切な対応」に留まりません。ビジネスを運営する上で、非常に重要な意味を持ちます。

1. 法的・社会的な要請の高まり

日本では「障害者差別解消法」が施行されており、2024年4月からは、事業者による障害のある人への「合理的配慮の提供」が義務化されました。Webサイトにおいて、アクセシビリティを確保し情報を提供することも、この「合理的配慮」の一環と見なされるようになっています。

2. ビジネス機会の拡大(機会損失の防止)

アクセシビリティが確保されていないWebサイトは、非常に多くの潜在的なお客様を無意識のうちに排除してしまっていることになります。私が事業を営んでいる宇都宮市のような地方都市では特に高齢化も進んでおり、すべての人にとって使いやすいサイトは、より広い顧客層にアプローチすることに繋がります。

3. SEOへの間接的な好影響

実は、ウェブアクセシビリティ向上のための多くの施策は、SEO(検索エンジン最適化)にも良い影響を与えます。

  • テキストと背景のコントラストを確保することは、多くのユーザーにとっての読みやすさを向上させ、サイトの滞在時間を延ばす効果も期待できます。
  • 画像に内容を説明する代替テキスト(alt属性)を入れることは、スクリーンリーダーの利用者だけでなく、Googleのクローラーが画像内容を理解する手助けにもなります。
  • 見出し構造(h1, h2など)を論理的に正しく使うことは、支援技術の利用者と、Googleのクローラー双方にとって、コンテンツの構造を理解しやすくします。

4. 企業ブランド・イメージの向上

アクセシビリティに配慮したWebサイトは、企業が社会的責任を果たし、多様性を尊重しているというインクルーシブな姿勢の現れです。これは、企業のブランドイメージや評判を向上させる上で、非常にポジティブな要素となります。

3. 基本的なウェブアクセシビリティ・チェック項目

ご自身のサイトがどの程度アクセシビリティに対応できているか、まずは以下の基本的な項目をチェックしてみましょう。

☑ 1. 画像に代替テキスト(alt属性)は設定されているか?

意味を持つ全ての画像に、その画像が何を表しているかを説明する「代替テキスト(alt属性)」が設定されていますか?これは、スクリーンリーダーが画像の内容を音声で伝えるために不可欠です。

☑ 2. テキストと背景のコントラストは十分か?

文字の色と背景色のコントラストが低いと、視力の弱い方や高齢者にとって非常に読みにくくなります。無料の「コントラストチェッカー」などのツールで、十分なコントラスト比が確保されているか確認できます。

☑ 3. 全ての操作がキーボードだけで可能か?

マウスを使わずに、キーボードのTabキーやEnterキーだけで、サイト内の全てのリンクやボタン、フォーム項目を操作できますか?これは、マウス操作が困難なユーザーにとって必須の機能です。

☑ 4. 見出しの構造は論理的か?

ページのタイトルが<h1>、大見出しが<h2>、中見出しが<h3>…というように、文章の構造に合わせて見出しが正しく使われていますか?見出しを飛ばしたり(h2の次にh4など)、デザインのためだけに見出しを使ったりしていませんか?

☑ 5. リンクの目的がテキストだけで分かるか?

「詳しくはこちら」「ここをクリック」といった曖昧な表現ではなく、「〇〇サービスの料金詳細はこちら」のように、リンクのテキストだけで、リンク先の内容が具体的に分かるようになっていますか?

☑ 6. 動画に字幕や音声ガイドは付いているか?

もし動画コンテンツがある場合、耳の不自由な方向けの「字幕」や、目の不自由な方向けの「音声ガイド」は用意されていますか?

☑ 7. フォームの入力項目は分かりやすいか?

お問い合わせフォームなどで、「お名前」「メールアドレス」といったラベル(項目名)と、入力欄がきちんと関連付けられていますか?エラーメッセージも、どこが間違っているのか分かりやすく表示されますか?

【バリュ―ションウェブスタジオの視点】

私たちが制作するサイトでは、特に上記1, 2, 3, 5を基本的なチェック項目として徹底しています。これらは専門知識がなくても比較的確認しやすく、かつ改善効果が非常に大きいポイントだからです。まずはこの4点から、ご自身のサイトを見直してみてください。

まとめ:アクセシビリティは、すべての人への「おもてなし」

ウェブアクセシビリティは、一部の特別な人のための対応ではありません。それは、あなたのホームページを訪れてくれる「すべてのお客様」に対する、基本的で重要なおもてなしの心です。

そして、そのおもてなしは、法的・社会的な要請に応えるだけでなく、ビジネスの機会を広げ、SEOにも良い影響を与え、企業のブランド価値をも高めてくれます。

私たちバリュエーションウェブスタジオでは、ホームページ制作の初期段階から、このウェブアクセシビリティを標準的な要件の一つとして捉え、できる限り多くの人が快適に利用できるサイト設計を心がけております。

「自社サイトのアクセシビリティがどうなっているか、一度専門家に見てほしい」
「これから作るホームページは、しっかりアクセシビリティに対応したい」

といったご相談も大歓迎です。誰一人取り残さない、価値あるホームページ作りを、ぜひ一緒に始めませんか?

▶ ウェブアクセシビリティに関する無料診断・ご相談はこちらから

この記事を書いた人

バリューションウェブスタジオ代表:高橋 雄太の写真

高橋 雄太(たかはし ゆうた)

バリューションウェブスタジオ代表|HP制作・SEO・MEO対策アドバイザー

栃木県宇都宮市を拠点に、中小企業や個人事業主向けのホームページ制作を数多く手がける。WordPress のテンプレート制作を軸に、「速くて、安くて、効果の出るWebサイト」を提供。また、SEOやGoogleマップ(MEO)を活用したローカル集客支援にも強みを持つ。